宮古諸島でSUPを安全に楽しむために

はじめに


SUP(サップ)とは、“STAND UP PADDLE(BOARD)” の略称です。
SUPは水上をボードに立って漕ぐ事が出来る乗り物で、2000年以降に登場した比較的新しい水上スポーツですが、近年製造各メーカーや販売店も急速に増え、製品もビキナー向けからレース用までと細分化してきています。
またクルージング、サーフィン、ヨガ&エクササイズ、フィッシング、ダウンウインドなど多くのカテゴリーで楽しめる水上スポーツでもあります。
宮古諸島は、このSUPゲレンデとしては最高レベルの環境ですが、道具の不適正な使用や自然環境下での突然の強風、潮流、潮位の影響などで、ときには漕ぐ事が困難になり、沖へ流されたり怪我をしたりといった危険を伴う場合があります。
宮古諸島でSUPを行う場合は、SUPガイド・インストラクター資格保持者から的確なガイドやインストラクションを受けることを推奨します。

1. 宮古諸島の気象海象を知る


  • その日の天候・風向・風速・潮汐をネット、新聞等で調べましょう。
  • 島の沿岸では安全な潮位を確認してからSUPを行いましょう。120cm以下では浅くて危険を伴う場所が多いため、干潮時でも120cm以上の水深を保つエリアで環境負荷軽減(サンゴ礁の破壊等)を念頭に行いましょう
  • 台風や前線を伴う低気圧の通過やニンガチカジマーイ(3月頃)、カーチバイ(6月下旬頃)、ミーニシ(10月下旬)という沖縄にみられる季節風は危険を伴います。向い風漕ぎ(アップウインド)が出来ず風下に流される危険がある場合は、海へ出るのを見合わせるという判断も必要です。

2. プランニング


  • 天気と潮汐(ちょうせき)を調べて行動予定を立ててください。
  • 海上で行動する時は、通信手段(携帯電話等)を持ちましょう。
  • 天候状況に合わせた日焼け対策や、熱中症対策(帽子やUVカットのラッシュガード等)及び秋・冬・春は防寒対策(ウエットスーツ等)を行ってください。
  • 脱水症状や熱中症を回避するため飲料水を携行し、こまめに休憩を取り入れましょう。

3. 安全対策と管理


  • ライフジャケット(フローテーションベスト)を必ず着用してください。
  • リーシュコードを必ず装着してください。
  • ボードとパドルを車載する時は注意してください。(キャリアに搭載する場合も風向に注意して前後共にしっかりベルト固定して運搬しましょ う)
  • インフレータブルボード(空気注入式)の場合は、バルブが緩んでないか、空気漏れはないか等の点検を心がけましょう。
  • ボードやパドルを浜に下ろして置く場合は、風にあおられて飛ばないようにノーズの低い方を風上に向けてください。その下にパドルグリップも風上側に向ける等配慮してください。
  • 海水浴者が多いビーチでは、遊泳者に充分配慮し出艇(パドルアウト)しましょう。
  • 出艇(パドルアウト)しようとするゲレンデの海底地形や水深と潮汐、潮流を事前確認して ください。
  • パドルアウトする場合の風向と風速を事前に把握し、対応できる範囲でのみ行いましょう。
  • セルフレスキューのトレーニングをしましょう。再乗艇の仕方や、潮汐が低く浅い時、向かい風に対して漕ぎ上がれなくなった時などの対処法(座り漕ぎやサーフスタイルでの腹這い漕ぎなど)を練習しておきましょう。
  • 干潮時や浅瀬でのSUPパドリングは、センターフィンを暗礁や珊瑚岩にぶつけたり乗り上げたりして前に転倒する危険があります。潮位120cmを下回る場合は、膝立ちなどの座り漕ぎで、安全に充分配慮し対応してください。
  • もずく養殖ブイや定置網などへの近づきや進入はしないでください。船の航路を横断する時や近づく時には、海上衝突予防法に則り船舶などに充分注意して進路を妨げないようにしましょう。
  • 安全上SUPボードのみの貸出しやレンタルは行わないようにしましょう。貸出し・レンタルをする場合は救助員資格保有の監視、管理下で行うか、SUPガイド・インストラクター資格保持者を同伴し行ってください。
  • 海上での遭難事故は118番「宮古島海上保安部」に連絡しましょう。